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システミックなものとノンシステミックなものに分かれるという説明があった。私どもにとっても大変参考になる話であったが、私どもの行政相談も、その意味においてシステミックな解決ができるという仕組みになっているところがある。すなわち、相談の解決を基にして行政制度の運営そのものの解決に導いていく、そのことによって苦情の新たな発生を防止することができる、これが一つである。そのための仕組みとして、行政苦情救済推進会議という民間の有識者の方々からなる委員会を庁内に編成して(長官の諮問機関の形になっているが)、中立的な役所である総務庁の中でもさらに中立的な公正な立場から制度の在り方というものを議論していただく、又、私どもは行政監察局であるので、行政相談とは別に行政監察という仕組みも用意されており、これに繋げていく。この2つのやり方がシステミックな解決を可能にしている。

その第5は、行政相談委員の方々には、法律に基づいて、総務庁長官への意見提出の権限が与えられている。これは、ウンさんの言われた意味では、市民の立場からの、あるいは行政の問題に関するフィードバックを可能にするメカニズムの重要な一つかと思うが、行政相談委員の方々が、行政相談の事案の解決を踏まえて、より大きな制度問題があるというような考えに達せられた場合には、独立の(おそらくは他の役所にも、ある意味では与えられていないような)立場で、総務庁長官に意見を具申することができる。このことによって、制度そのもの、あるいは運営そのものといったより大きな問題の解決にも導かれる、といった仕組みが用意されている。ここが、総務庁が行政相談という形で苦情のあっせんを所管することの多大なるメリットの源ではないかと考える次第である。

 

2 行政相談制度の運営

 

そこで次の問題は、では、私ども総務庁が所管する行政相談がどれだけ役に立っているのか、又それに当たってどのような(先程、片岡先生からお話があったような)工夫がされているのか、というところかと思われる。すでに片岡先生からもご紹介があったように、全国で23万件の苦情及び意見・要望をいただいている。中には、要するに「行政の仕組みが分からない」というような意味も含めた行政案内という事案も相当含まれている(このこと自体としては、行政の中で「どこへ行けばいいのか分からない」という問題の解決の意味では大変重要ではあるが)。これに加えて、本当のハードコアというべき苦情案件も4万件を超えるというのが現在の状況である。これをあっせんという形で解決させていただいているのが私どもの仕事である。又、ウンさんからは、マレーシアにおいては、リ・エンジニアリングという発想があって、その中で自分たちの仕事を改善していく努力も怠っていないということであった。私どももその意味では、ニューメディアの登場というようなこともあり、行政相談委員の方々を含めて、待ちの姿勢ではない、より積極的な苦情の吸収ということを心掛けている。

 

さらには大変重要なこととして、やはり関係機関との連携によって、本日のテーマである「市民にとって望ましい苦情処理のシステムはどうあるべきか」という観点からの活動も行っている。この発想自体は、実はすでに1965年にいわゆる第一次臨時行政調査会が答申を出した時から、全国の各行政機関に苦情相談窓口を置くこと、

 

 

 

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